「今度こそ動き出すか、インド半導体工場 」(1154号)・・半導体製造装置設計のAZA

半導体不足が世界的な問題となるなか、国家レベルの支援策が広がりをみせています。そのなかでインドにおける半導体の国産化や内製化に向けた取り組みも急速に加速しています。その理由の1つが、インド政府が2021年末に発表した電子産業(半導体およびディスプレー)の誘致・育成を図る産業振興策です。半導体とディスプレーメーカーの工場新設に対して投資コストの最大50%、化合物半導体や半導体パッケージの工場など施設の新設に対して投資コストの最大30%の財政支援を行うことなどが含まれているのです。
またインドでは、前述の産業振興策において7600億ルピー(約1兆2700億円)の予算を計上しており、半導体分野では、3つの大きなプロジェクトが浮上しています。
①EMS大手のフォックスコンとインドの大手資源会社であるVedantaの合弁会社
②8インチのCMOSファンドリーを運営するシンガポールの投資会社IGSSベンチャーズ
③半導体コンソーシアムであるISMCの3社が計画を申請している
5月にISMCが、インドのカルナータカ州とMOU(覚書)を締結しました。同州に65nmプロセスを活用したアナログ半導体工場を整備する計画で、設備投資額は2290億ルピー(30億ドル)を予定しています。ISMCは、投資会社のネクスト・オービット・ベンチャーズ(NOVF、アラブ首長国連邦)と、スペシャルティーファンドリーのタワーセミコンダクターによる半導体コンソーシアムで、プロジェクトの初期資金をNOVFが提供し、技術面はタワーセミコンダクターが主導します。実はインドでこうした動きが出るのは今回が初めてではない。これまでに同じようなプロジェクトが立ち上がり、実現してこなかったのです。今回のプロジェクトが、これまでの前例を覆し、インドで初の半導体工場につながるのか、それともこれまでと同じようになるのか。この成否が、高い経済成長率の継続が予測されているインドの重要なポイントになるかもしれません。注目していきたいと思います。

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