「行動科学を使ってできる人が育つ!『教える技術 』(1110号)・・半導体製造装置設計のAZA

新年度をむかえて、新しい職場・学校・環境でスタートされる方が多いのではないでしょうか?今日は読書テーマのブログの日ですので新しいメンバーを迎えた職場の方におくる「教える技術」について書籍からまとめた4つの要点のお話をさせてください。
1⃣うまく教えるためには、まずは教える内容を「知識」と「技術」に振り分けることが大切です。たとえば、ボーリング初心者にボーリングを教える場合。「知識」にあたるのは、投球のマナーやゲームの基本ルール、ボールの選び方、ボールの回転と軌道の関係性、スコア表の記号の意味などです。一方、教えるべき「技術」には、ボールの持ち方や助走の仕方、投球フォーム、ボールのコントロール法などが該当します。知識は聞かれたら答えられること、技術はやろうとすればできることと考えればいいと思います。
2⃣どんな業種・職種の仕事も、いくつもの行動から構成されています。行動を一つひとつ分解し、やるべきことを細かくかみ砕いて、わかりやすく伝える必要があります。分解の対象にするのは、その仕事で優れた成果を出している社員の行動です。たとえば営業なら、TOPセールスの行動を書き出してみる。
・朝は何時に出社して始業時間までの間に何をしているか。
・顧客に電話をかけるとき、最初に何と挨拶しているか。
・担当者が不在のときはどんな伝言を残しているか。
・営業用カバンには何を入れているか。
・アポイントの時間より何分早く訪問先に到着しているか。
・名刺を渡しながら喋る内容はどんなものか。
・初対面の担当者に対して最初にどんな話題を投げかけているか。
・訪問の記録はどのように残しているか……。
TOPセールスの行動を完璧に真似るには、これくらい細かく分解しなければなりません。そうやって書き出したものは、その仕事の「チェックリスト」として使えます。上司は、リストを参照しながら「ここはよくできているよ。あとはここを重点的に練習しよう」と指導すればいいのです。
3⃣指示するときは、「MORSの法則」を参考に、内容をできるだけ明確かつ具体的に表現することです。
部下に指示する際に、「しっかりやれ」「できるだけ早く提出を」などの曖昧な言い方をしていませんか。指示の内容は、できるだけ明確かつ具体的に表現しましょう。行動を言語化しようとするときには、「MORSの法則(具体性の法則)」が参考になります。MORSの法則は
「Measured(計測できる)」
「Observable(観察できる)」
「Reliable(信頼できる)」
「Specific(明確化されている)」の4つから成り立っています。たとえば「お客様と親密にコミュニケーションをとる」を、MORSの法則に照らして具体的な行動に落とし込むと、「すべての顧客に対し3カ月に一度電話をかけ、当社のサービスに対する感想を聞く」「2週間に一度、メールマガジンを送る」などといったものになります。
4⃣部下に望ましい行動をさせるためには、ほめることが欠かせません。たとえば「先行条件」が「電車の中が蒸し暑い」、「行動」が「扇子であおぐ」、「結果」が「涼しくなる」だとします。この場合、扇子であおいだら涼しくなったので、この人は「扇子であおぐ」という行動を続けるのです。このように、あらゆる行動はこの因果関係で成り立っています。だから、部下にやらせたい行動や身につけてほしい行動があるなら、「気合いを入れろ」「やる気を出せ」と叱咤激励するのではなく、この因果関係をコントロールすると効果的です。そこで効果を発揮するのが、「行動」の直後に望ましい「結果」を意図的に与える方法です。何より効果的なのは「上司からほめられること」「上司から認めてもらうこと」。だから人材育成においては、ほめることが重要なのです。以上の4つの要点を参考にしてください。

エンジニアリング事業部・最近の実績☆☆AtoZtoA