「半導体産業計画(2021ー2022)」(998号)・・半導体製造装置設計のAZA

半導体産業計画(2021ー2022)が産業タイムズ社より発行されました。WSTS(世界半導体市場統計)が2021年6月に発表した最新予測によれば、21年の半導体市場は前年比19.7%増の5272億ドルと驚異的な成長を見せることになりそうです。20年12月時点では8.4%の成長が見込まれていましたが、大幅に見通しが引き上げられた格好です。WSTSでは2020年後半から経済活動が緩やかに回復に向かったことで、半導体需要は自動車用途をはじめ広範にわたって拡大していると分析。加えて新型コロナのワクチン接種が進んでいることで、経済活動の正常化が促されることも見込んでいます。コロナ禍に加え、米中摩擦をはじめとする地政学的なリスクも半導体産業に大きな影響を与えています。サプライチェーン上のリスクが増大したことで、半導体の調達における考え方が根本的に変化してきており、顧客企業の在庫戦略も大きく見直されるようになってきました。さらに各国政府も安全保障の観点などから、半導体を国家戦略における重要なピースの1つと捉えるようになってきており、先端半導体工場の誘致などに乗り出し始めました。欧米各国は巨額の公的資金を投じて、自国あるいは域内の半導体製造、すなわち自給率を高める動きに着手しており、日本政府も海外大手の量産工場誘致に動いている最中です。実際の半導体需要に目を向けても、リモートワークやオンライン学習/診療、巣ごもり需要などコロナ禍によって生活様式、ワークスタイルが変化したことで、パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの最終製品が好調に推移しており、半導体需要を押し上げています。半導体産業はこうしたマクロ環境の大きな変化に伴い、まさに異次元の成長トレンドに入ってきたといえるでしょう。ハイペースな市場成長が見込める中で、半導体メーカーの設備投資計画も急ピッチで進んでおり、21年の世界半導体設備投資金額、ならびに世界半導体前工程装置市場はともに30%以上の大幅なプラス成長が見込まれています。

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