「気を満ち溢れさせる四条件」(989号)・・真空装置設計のAZA

唐池恒二(からいけ こうじ) 元JR九州代表取締役会長の「気を満ち溢れさせる四条件」というお話をさせてください。唐池氏は、JR九州代表取締役社長時代に豪華列車「ななつ星 in 九州」の立ち上げに寄与した人です。ななつ星以外にも,特急「ゆふいんの森」やSL快速「あそBOY」などのリゾート列車の企画を手掛けた人でもあります。そんな唐池さん、1993年に外食事業部次長を命じられます。当時、八億の赤字を抱えていた外食事業部を三年で黒字化します。この外食事業部のときが人生の転機だったと振り返っています。ここで言う気とは心の動き・状態・働きを総合して捉えたもの。精神。気持ちと解釈してください・・。また私達の業務に置き換えて聞いてください。――繁盛する店と繁盛しない店を分ける一番の要素は、その店に気が満ち溢れているかどうかだと気づきました。気というのはたとえ初めて行く知らない店でも、なぜか入る前から薄々感じるものです。綺麗に掃除されていたり、元気のいい声が飛び交っていたり、そういう店はいい店だなって思いますよね。実際、料理もサービスもほとんど間違いない。 では、気を満ち溢れさせるにはどうするかと。これは外食事業部時代からいまも社員に言い続けていることですが、一つは「スピードあるキビキビした動き」。迅速に動くと気が集まります。二つ目は「明るく大きな声」。挨拶にしても打ち合わせや電話にしても、小さな声でヒソヒソ喋っている人がいるんですけど、それじゃあ全然職場に気が満ち溢れません。だから、もっと明るく元気に大きな声を出せとこう言うんです。三つ目は「隙を見せない緊張感」ですね。誰に対して緊張感を持つのか、それはお客様です。本社にいるとお客様は見えませんので、お客様を想定して、こういうことをしたらお客様はどう感じるか、どう反応するかということを意識する。現場は常にお客様に見られているので、お客様がいつ来られてもいいような態勢を整えておく。接客サービスで一番大事なのは、「待っている時の姿勢」なんです。お客様は大抵予告なしで突然いらっしゃいますよね。その時に、いつ来店されてもいいような表情、態度、事前の準備ができているかどうかです。例えば、店に入った瞬間、従業員がつまらなそうな顔をしてボーつと突っ立っていたり、客席の横に食材の段ボール箱が放置されていたりすると、それだけでもうこの店はダメだなと思うでしょう?ですから、接客サービスというのは準備で八割決まると思います。普段から準備をしていないととっさの時に対応できない。毎日「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」という声出しや笑顔の訓練をしていると、とっさの時にも自然と出せる。お客様に隙を見せない緊張感を持つとは、準備を徹底するということなんです。四つ目は「貪欲さ」。もう一人お客様に入っていただこうと呼び込みをするとか、もう一本ビールをお勧めしようとか、もう一品おつまみをご注文いただこう、あるいはもっと自分を成長させようといった追求心、向上心です。「スピードあるキビキビした動き」「明るく大きな声」「隙を見せない緊張感」「貪欲さ」この四つを徹底的に現場に浸透させることで、八億円の赤字を抱えていた外食事業部を三年で黒字化へと導くことができたんです。七年間外食事業に携わった後、鉄道事業でも同じ手法を用いて改革にあたりましたが気というのは規模の大小、業種の違いに関係なく、どんな組織でも共通するのだと確信を得ました・・。「気を満ち溢れさせる四条件」私達の業務でもチャレンジしてみましょう。

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