「半導体黎明期・辛苦の上にかかった虹」(914号)・・健康経営優良法人のAZA

「半導体を立ち上げた人たちの辛苦の上にかかった虹」という35年以上にわたって第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者の記事を読みました。半導体開発の黎明期に関わった人々がご苦労されたお話です。半導体に賭けた人たちの物語は、一見して発明・発見の喜びに満ち溢れています。しかして、その陰に多くの辛苦が隠されているのです。世界ナンバー1の半導体メモリー工場を作ろうとしていた日本企業が、九州の地にどでかい工場を立ち上げていました。今から50年も前のことです。しかして、何をやっても、どれを取っても、はたまた頭脳の限りを尽くしても解決できないことがありました。それが「歩留まり」(良品数/製造数)です。作れども作れども不良の山を築いていたのです。「とにかくクリーンルームの清浄度を上げるためにはどんなこともやりました。当時は、女子のオペレーターが多かったので、使っている化粧品のメークをピンセットで取らせてもらったり、クリーン服を脱いだり着たりする回数を数えるために、何回トイレに行く回数も調べました。このようなヒヤリングを重ねていくなかで、そのプロセスエンジニアは、ただ一筋に、高い歩留まりを出すことが一番大切と考えていたのです。また、こういう話もありました。それは、理論値的には絶対に高歩留まりを出せる設計であり、装置の状況、クリーンルームの状況であったのですが、不良の山でした。エンジニアたちが集まり、数週間にわたり徹夜状態で調べ上げました。何回も実験を繰り返しました。しかし、原因は分からない。絶望的になって、疲れ果て、眠り込んだその時、近くを通る鉄道からの音が聞こえてきて、エンジニアの1人が叫んだ。「これだ、これが原因なのだと。エンジニアは、電撃に打たれたように立ち上がった。そして、こう絶叫したのです。「振動だ。揺れるんだ。それが歩留まりが出ない最大の理由だ・・」結果的には、鉄道の通るところの横に調整池を設けて、その振動を吸収することに成功する。今や微振動制御などはクリーンルーム技術の前提でもあり、極め尽されたテクノロジーなのであるが、この頃は振動と半導体の関係がまだ正確にはつかめていなかったのです。またある時、雪の中に1人のプロセスエンジニアが立ち尽くしている。いくら考えても、血反吐の出るほど酒を飲んでも、何のアイデアも出てこない。デバイス構造を変えなければ、抜本的な解決はない。ところが思いつかない。もうこんなに苦しむくらいならば、会社を辞めてしまおう、とまで思い詰めた。その時、このエンジニアの目の前に、氷の柱が垂れ下がっていた。彼は叫んだのだ。この氷の柱と同じ構造のデバイスを作ればよい。これが真の解決法だ・・。と小躍りするように会社にとって返して、急いでデバイスの構造図を作り上げる。苦しみに苦しんで、悩みに悩んで、その先の向こうにある氷の柱が七色の虹に染まった瞬間でありました。上野寛永寺の裏手にある別院のところに、作家の坂口安吾の書き残した書が展示してあります。それは次のようなものです。

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