「初心忘るべからず・常に謙虚に日々精進」(893号)・・機械設計のAZA

予告していたとおり昨日のお話の続きになります。『初心忘るべからず』みなさんも知っているこの言葉。これは社会の歴史でも勉強する、室町時代の能楽(のうがく)の大成者である、世阿弥(ぜあみ)の言葉だとされています。「しかれば、当流に、万能一徳の一句あり。初心不可忘(しょしんわするべからず)この句、三箇条の口伝あり。

是非初心不可忘(ぜひのしょしんわするべからず)。

時々初心不可忘(じじのしょしんわするべからず)。

老後初心不可忘(ろうごのしょしんわするべからず)。」 『花鏡(かきょう)』奥段

「初心忘るべからず」は、ふつう「何事においても、始めた頃の謙虚で真剣な気持ちを持ち続けていかねばならない」という意味で使いますが、世阿弥が花鏡の中で説明している意味は、ずいぶん違っています。世阿弥がいっている「初心」は「初心者」の初心のこと。つまり、まだ未熟な状態のことです。「なにかを始めたときの下手だった記憶や、そのときに味わったくやしい気持ちや恥ずかしさ、そこから今にいたるまでのたくさんの努力を忘れてはダメですよ」という意味です。さらに世阿弥は、過去の未熟な状態だけを思うのではなく、今の自分も「未熟」な状態であると自覚しなさいともいっています。私達は発展途上の技術者です。常に謙虚な心を忘れず、日々精進ですね。

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