「仕 事 の 哲 学・・」(804号)

キヤノン電子の現役社長である酒巻社長の9月に発売されたばかりの書籍「仕事の哲学」

を読みました。キヤノン一筋の叩き上げで現在80歳。まだまだご活躍されています。

キヤノンで50年以上働く技術屋でも有ります。この書籍は、「働く人が自ら考え、

行動する会社についての考え方を記されています。ご自身の経験や学びから、

「社員の幸福」「組織の活性化」「生産性の向上」などについて・・働き方のスタイル

が変化しても、リーダーがなすべきことは変わらないことを示唆しています。

「仕事の哲学」を踏まえない、小手先だけの働き方改革では、ビジネスパーソンも企業

も不幸になってしまう。キヤノ長年の経験で培った仕事への姿勢を説いた書籍であり

ます。以下のことが簡潔に述べられています。

●働き方改革の取り組みの1つに「長時間労働の是正」がある。だが、長時間残業や

休日出勤を罪悪視しすぎると、「全力で働こう」という意欲が薄れ、楽をしようと考える

社員が増える。

●働き方改革にともない、「テレワーク」も推奨されている。だが、これはオフィス

と違い、判断に迷った時、近くにいる人にすぐ相談できない。よって、すべて自分1人で

判断できるぐらいの知識がないと、テレワークでは生産性が落ちてしまう。

●今の日本では、集中して働くことで生産性が高まるという考え方が主流で、勤務

時間が終わると仕事から離れる。しかし、開発や設計、研究など、閃きを必要とする

仕事では、1日中仕事のことを頭の中心に置くことで、よい考えが浮かぶ。

●ベテランになると若手の頃に比べ経験は増えるが、柔軟な発想で若者に敵わない

ベテランは、20代の頃よりも何倍も勉強し、足りない能力を補う必要がある。

●社員が「この会社で働きたい」と思うには、その会社への信頼が重要である。社員の

信頼を得るためには。経営陣は「社員は自分たちが守る」という覚悟を持つ必要がある。

●キヤノン電子では、自分で考え、動く習慣をつける目的で「ピカイチ運動」を行っている。

4~5人のチームが各々テーマを決め、実現方法を考えるというものだ。例えば、ある工場

のチームが「世界で一番よい挨拶」をテーマとし、毎朝の挨拶を始めたところ、他の大たち

も真似て、全体が挨拶するようになった。すると、仲間意識が生まれ、製品の不良も減った。

いま日本企業では、新型コロナウイルスの影響を受け、働き方に関する模索が始まっています。

コロナの前からも「働き方改革法案」の影響で従来のやり方が難しくなったことを期に

働き方や仕事との向き合い方を根本から考える時ではないでしょうか。皆さんは

「仕事の哲学」お持ちですか?

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 「技術をデザインする」  マルチエンジニアリングのAZA