「テレワークでの心理的距離の縮め方・・」(734号)

なかなか進まない日本のテレワーク事情でしたが、コロナの影響で強制的にかなり浸透

しました。転職サービスを提供するワークポートの調査によると、コロナ禍の前では

テレワークをしたことがあるかという質問に、約9割の人がが「いいえ」と回答。つまり

テレワークをしたことがある人は、10人に1人という割合でした。今では80%以上の

企業が従業員の一部または全員にテレワークを採用しています。

コロナ以前の話をしたいと思います。テレワークですが、名だたるITのリーディング

カンパニーの拠点、米国ではどうでしょうか。それまで一途拡大していたテレワークが、

一部企業で2010年ごろから縮小する流れになっていたのです。2013年頃には、IBMや

Yahooといった有名企業がフル在宅勤務を一斉に禁止。その要因について、同僚や上司

とのコミュニケーションが大きく影響しているといわれます。テレワークの物理的距離

が仕事を進める上でのハードルとなると判断されたのです。当然ながら、同じ時間に同じ

場所で働くほうがチームプレーは簡単です。一緒に働く仲間の性格を把握するのも早い

ですし、忙しそうとか、体調が良さそうなどのその時その時のコンディションも一目

瞭然です。ミーティングもオンラインで話すより、顔を合わせて話すことで、効率的かつ

良質なコミュニケーションが取れるのです。リモートという物理的距離の壁に直面して、

改めてリアルにコミュニケーションする意義に立ち返る米企業の判断なのです。では、

テレワークはコロナ感染症問題が解消した後は、どんどん縮小するかというと、そのよう

なことはないと思います。実際に、IBMやYahooがフル在宅勤務を禁止して以降も、米国

では少しずつリモートワークの割合は増え続けています。物理的距離のない、オフィス

などでの集合型ワークスタイルにはやはり高い価値がありますが、テレワークにはテレ

ワークの価値もあります。そこで課題になるのは、テレワークで物理的距離を少しでも

なくし、心理的に距離感をぐっと縮めることです。効果的な方法が3つ紹介されてい

ました。

①雑談専用チャット・チャンネルを設ける

仕事内容に特化した業務連絡用のものとは別の、雑談専用のチャットやチャンネルが

役立ちます。仕事に直接関係のない、重要度の高くないことを発信できる場所で、

忙しい人は反応しなくても良いもの。あえて、専用にすることで、こんなこと発信して

いいのかなという(例えば、お昼ご飯に何食べたとか)内容を共有するハードルが下

がり、気楽に“無駄話”ができます。慣れると本当に雑談しているかのような距離感に

なれます。

②オンライン飲み会

オンラインの会議システムがいろいろありますが、それらを活用しての飲み会です。

お酒が入ることで、普段のオンタイムでは出せない話や表情で、リアルな飲み会さな

がらの感覚に。このオンライン飲み会も実施してみると、ぐっとチームの一体感が

醸成されます。

③定期的なオンラインミーティング

チャットなどで一日何度もリアルタイムでやりとりしていてもなかなか縮まらない

距離が、意外にも顔を見て話すことで解決することも。リアルに会わなくても、

画面上で表情を見るだけでかなり変わります。このオンラインミーティングはコマ目

に開催したり定期的に開催することがおすすめです。弊社は今日からTWやWebを

活用して平常時の業務に戻ります。Webを積極的に活用して新しい働き方に柔軟に

対応していきましょう。

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 「技術をデザインする」  マルチエンジニアリングのAZA