― 同じ装置なのに圧力が違う?真空計の取り付け位置が重要な理由 ―
真空装置には、内部の圧力を測る「真空計」が取り付けられています。
では、同じ真空装置なら、どこで測っても同じ圧力になるのでしょうか?
実は、真空計を取り付ける場所によって、測定値が変わることがあります。
今回は、その理由を分かりやすく解説します。
■ 真空装置の中でも圧力は違う?
真空装置では、真空ポンプがチャンバー内の気体を排出しています。
このとき、気体はチャンバーから配管を通ってポンプへ移動します。
例えば、チャンバーとポンプの間に細長い配管があると、気体が通りにくくなります。
そのため、排気中は一般に、チャンバー側の圧力がポンプの吸入口側より高くなることがあります。
これは、水が細い管を流れるときに抵抗を受けるのと少し似ています。

■ 真空計はどこに取り付ける?
真空計の取り付け位置は、何のために圧力を測るのかによって決まります。
例えば、半導体製造装置や真空成膜装置では、製品を加工するチャンバー内の圧力が重要です。
この場合、チャンバーの状態を適切に把握できる位置に真空計を取り付けます。
一方、ポンプの運転状態を確認したい場合には、ポンプの吸入口付近で測定することもあります。
つまり、測定の目的によって適切な位置が異なるのです。
■ 取り付け方にも注意が必要!
真空計をチャンバーから離れた場所に取り付けたり、細く長い接続配管を使用したりすると、測定値に差が生じることがあります。
特に、排気中やガスを導入しているときには注意が必要です。
また、真空計の近くにガス導入口がある場合、その周辺の圧力が装置全体を代表しているとは限りません。
「真空計が示す圧力=チャンバー全体の圧力」とは限らないことを理解しておきましょう。
■ まとめ
真空計は、ただ取り付ければよいというものではありません。
「何を測りたいのか」「どこで測るのか」が重要です。
真空装置の設計では、ポンプの位置や配管の太さだけでなく、真空計の取り付け位置も大切な検討項目になります。
■ 次回予告
次回Vol.45では、「真空計の表示値は本当に正しい?ガスの種類で測定値が変わる理由」について、分かりやすく解説します。