「その設計、誰の笑顔につながっていますか?」江戸の“エジソン”が教えてくれる発想の原点(2022号)

【設計者キャリアブログ Vol.9】「設計の本質=誰かのために考えること」

■「良い設計」とは何でしょうか。
図面にミスがないこと。納期を守ること。強度計算が正しいこと。どれも大切ですが、それだけでは本当に良い設計とは言えないのかもしれません。
江戸のエジソン」と呼ばれた平賀源内は、発明家だけでなく、植物学者や文士、画家としても活躍しました。夏に売れず困っていたうなぎ店に「本日丑の日」と張り紙を出させた逸話も有名です。
私が心を動かされたのは、源内が知識や技術を独り占めしなかったことです。人との交流を大切にし、惜しみなく知恵を分かち合ったからこそ、多くの相談が集まり、その中でさらに智慧を深めていったといいます。
これは、私たち設計者にも通じます。
「お客様は何に困っているのか」
「現場の作業者は使いやすいか」
「保守する人は困らないか」


■ 相手の立場で考える力が、設計品質を高めるのです。
新聞には、小学生が耳の不自由なおばあさんのために、スマホの振動で飾りが回り着信を知らせる装置を発明した少年の話も紹介されていました。何度も失敗を重ねながら完成させ、おばあさんは手をたたいて喜んだそうです。
その出発点は、「すごい発明をしたい」ではなく、「おばあちゃんに喜んでほしい」という想いでした。
「必要は発明の母」と言われます。しかし、その必要が自分のためか、誰かのためかで、生まれるものは大きく変わります。
■ 私たちアザエンジニアリングも、図面を描くことが目的ではありません。
お客様の困りごとを解決すること。
働く人を楽にすること。
社会に少しでも役立つこと。

その先にある「ありがとう」を増やしていくことが、仕事の本質だと思います。
誰かのために真剣に考えるからこそ、知恵は生まれる。
今日描く一枚の図面の先に、誰かの笑顔がある。
「この設計は、誰のためのものか。」
迷ったとき、私自身も問いかけたい言葉です。