【技術コラムVol.26 】真空バルブ⑦ ソレノイドバルブ― 真空装置の自動制御を支える小さな司令塔 ―
真空装置の配管を見ると、比較的小型のバルブに電線が接続されている部品を見かけます。
これが「ソレノイドバルブ(電磁弁)」です。見た目は小さな部品ですが、真空装置の自動運転には欠かせない重要な役割を担っています。
ソレノイドバルブとは、電気信号によって圧縮空気やガスの流れを切り替えるバルブです。内部にはコイルが組み込まれており、電流を流すと磁力が発生し、プランジャと呼ばれる鉄芯を動かして流路を開閉します。
半導体製造装置では、エア駆動バルブやシリンダを直接動かすのではなく、その制御用としてソレノイドバルブが使用されます。PLCや制御装置からの電気信号を受けて工場エアの流れを切り替え、大型のゲートバルブやアングルバルブを動作させています。

ソレノイドバルブには2ポート、3ポート、5ポートなどさまざまな種類があります。特にエアシリンダ制御では5ポートタイプが多く使用され、エアの供給と排気を切り替えることでシリンダを前進・後退させます。
設計時のポイントは、使用圧力、流量(Cv値)、応答速度、耐久性です。また、長期間使用すると異物の混入やシール劣化によって動作不良が発生するため、清浄なエア供給も重要になります。
近年では省電力型や高速応答型のソレノイドバルブも普及しており、装置の高スループット化や省エネルギー化に貢献しています。
■まとめ
ソレノイドバルブは電気信号を空気圧制御へ変換する重要な部品です。真空装置の自動化を支える「小さな司令塔」とも言える存在であり、その性能が装置全体の応答性や信頼性に大きく影響します。
■次回予告
次回は「Vol.27 真空バルブ⑧ ベローズシールバルブ」を解説します。なぜ超高真空領域でベローズ構造が必要なのか、その仕組みと特徴を分かりやすくご紹介します。