【設計者の価値は図面では決まらない】(2009号)

先日、第6回「設計魂の日」を開催しました。今回のテーマは、

🎯「なぜその設計にしたのか? 設計意図の言語化」です。

設計者は毎日、数え切れないほどの判断をしています。

  • なぜこの形状にしたのか
  • なぜこの材料を選んだのか
  • なぜこの寸法にしたのか
  • なぜこの構造を採用したのか
    しかし、いざ「なぜそうしたのですか?」
    と聞かれると、意外と答えに詰まることがあります。今回のディスカッションでは、ベテランから若手まで多くの事例が共有されました。コスト、強度、作業性、メンテナンス性、安全性など、設計者が日々どのような観点で判断しているのかを改めて確認する機会となりました。また、お客様への説明方法として、
  • 3Dモデルを活用する
  • PowerPointで比較資料を作る
  • 複数案を提示する
  • 図面にコメントや注記を残す
    など、それぞれの工夫も紹介されました。

■ 「前回と同じ」は理由にならない?

「前回と同じだから」 ではなく、
「実績があるから前回と同じにした」 という考え方です。
一見すると同じ言葉に聞こえますが、その中身はまったく違います。前者は思考停止です。しかし後者は、過去の実績や経験に基づいた立派な設計判断です。設計意図の言語化とは、難しい理論を語ることではありません。「なぜそう判断したのか」その理由を説明できることが重要なのです。

■ 設計だけの話ではない

今回のテーマは、実は設計者だけの話ではありません。私たちは毎日、仕事や人生の中で大小さまざまな決断をしています。

  • なぜその仕事を優先したのか
  • なぜその方法を選んだのか
  • なぜその会社方針にしたのか
    経営者も、営業も、管理部門も同じです。
    「何となく」
    「気分で」
    「前からそうだから」で決めるのではなく、
  • 何を優先し
  • 何を根拠に
  • なぜそう決めたのか を言葉にできる人ほど、周囲から信頼されます。

■ 最後に

図面は設計の結果です。しかし、その図面の裏側には必ず設計者の考え方があります。設計品質の向上も、手戻り防止も、若手への技術伝承も、その考え方を共有することから始まります。今回の設計魂の日を通じて改めて感じたのは、設計者の価値は図面では決まらない。その図面に込められた「考え方」で決まるということです。そして、「なぜそう決めたのか」を説明できる人ほど、周囲から信頼される。これからも設計魂の日を通じて、技術だけでなく 「考える力」「伝える力」 を磨いていきたいと思います。