【技術コラム Vol.7】これまでの技術コラムでは、スパッタ装置、真空技術、搬送機構、ロードロック、真空バルブ、真空配管・ガスフローについて解説してきました。Vol.7では、それらすべてに関わる重要テーマ、「パーティクル対策設計」を取り上げます。パーティクル対策は、半導体装置の品質と歩留まりを左右する最重要要素 です。
■ パーティクルとは何か:パーティクルとは、装置内部で発生・浮遊・付着する微小な異物です。
* 金属粉 * 樹脂粉 * 摩耗粉 * 酸化物
これらがウェハに付着すると、不良や信頼性低下につながります。「出てから対処」ではなく「出さない設計」 が基本です。
■ パーティクルはどこから発生するのか:多くのパーティクルは、装置の可動部や接触部から発生します。
* 搬送機構・ロボット
* バルブやシール部
* 配管の段差・滞留部
* 温度変化による材料劣化
つまり、構造設計そのものが発生源になり得る のです。
■ 設計段階での対策が最重要:アザエンジニアリングでは、設計段階での対策を最重視しています。
* 可動部を減らす
* 摩耗しにくい構造・材料を選ぶ
* 段差や隙間を作らない
* ガスが滞留しない構造
* 清掃しやすいレイアウト
「動かさない・擦らない・溜めない」これがパーティクル対策の基本です。
■ ガスフローとの深い関係:ガスフローは、パーティクル挙動に大きく影響します。
* 流れが偏ると異物が滞留する
* 排気が弱いと再付着が起きる
* 不自然な流れは汚染源になる
ガスの流れは“掃除の流れ”でもあるという考え方が重要です。
■ ロードロック・搬送系との関係:ロードロックや搬送部は、パーティクルが最も発生しやすい領域です。
* 急激な排気・ベント
* ロボット動作の衝撃
* バルブ開閉タイミングのずれ
これらは、設計と制御の両面で抑える必要があります。
■ 運用頼みは限界がある:パーティクル対策というと、
* 清掃回数を増やす
* メンテナンスを強化する
といった運用対策に頼りがちですが、本来は設計で潰しておくべき問題 です。設計段階での工夫が、装置の寿命と安定性を左右します。
■ 見えない部分にこそ設計力が宿る:パーティクル対策は、完成した装置からは見えません。しかし、
* 安定稼働 * 再現性 * 歩留まり という形で確実に差が出ます。
次回以降は新シリーズとして薄膜プロセス技術シリーズをご紹介します。