「スパッタ装置とは?半導体前工程をわかりやすく紹介」(1893号)

12月から毎週火曜日は、アザエンジニアリングが携わる技術をわかりやすく紹介する「技術コラム」をお届けします。第一回となる今回は、弊社の主力領域である 真空装置の設計、そして多くのエンジニアが担当している スパッタ装置 について取り上げます。私自身、現役の設計者として長くスパッタ装置の開発に携わり、その経験が今のアザエンジニアリングの技術力の基盤となっています。
■ スパッタ装置とは?
スパッタ装置は、半導体製造の前工程で使われる 薄膜形成装置 のひとつです。真空中にアルゴンなどのガスを導入し、金属ターゲットにイオンを衝突させ、飛び出した原子をウェハ上に堆積させる技術を「スパッタリング」と呼びます。
この方式は、
* 膜厚が均一に仕上がる
* 密着性の高い金属膜が形成できる
* 量産に向いた安定したプロセス
といった利点があり、特に配線形成の工程で重要な役割を果たします。
■ 半導体製造工程をざっくり解説
半導体製造は、大きく「前工程」と「後工程」に分かれています。
● 前工程
薄膜形成 → レジスト塗布 → 露光 → エッチング → 洗浄
このサイクルを何十回も繰り返し、微細な回路が形成されます。
スパッタ装置は、ここで必要となる 金属膜形成の中核装置 です。
● 後工程
チップを切り出し、配線し、封止(パッケージング)して製品として使える形に仕上げます。
■ アザエンジニアリングの強み
アザエンジニアリングは創業以来、真空技術を中心とした半導体製造装置の設計支援を行ってきました。スパッタ装置の設計では、
* 真空チャンバー設計
* 搬送・メカ構造
* ガスライン・配管設計
* 高真空部品の選定
* 熱・放電・プラズマの考慮を含む設計
など、複数の高度な要素技術を統合しながら装置設計を進めています。
■ これからのアザエンジニアリング
半導体業界は微細化・多層化が一段と進み、装置開発の難易度も高まっています。私たちは今後も、メーカーの技術者の皆様と力を合わせ、「最先端のものづくりを技術で支える会社」 として次世代装置の開発に貢献してまいります。来週は、スパッタ装置にも欠かせない「真空技術の基礎」についてお届けします。どうぞお楽しみに。

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