「AI導入の道筋 ”チャッピー”と共に歩む新年度」(1828号)

8月から新年度が始まり、弊社アザエンジニアリングでは「AI導入に道筋を立てる」ことを最初のテーマとしています。先日、新聞記事で「チャッピー」という言葉を目にしました。生成AI「ChatGPT」に親しみを込めて付けられた愛称です。すぐに答えてくれるうえ、何を言っても否定しない。そんな存在感が、若者にとって身近な相談相手になっているというのです。文芸評論家の三宅香帆氏は「私たちはいま、AIを擬似親として求めている」と語っています。信頼できない情報に疲れ、正解を提示してくれる存在に安心感を見出しているのだと。確かに、答えを示してくれるAIは、迷いや不安を抱える人にとって心強い存在に映るでしょう。もちろん、人間とAIは同じではありません。批評家の若松英輔氏は「人間の対話は“沈黙を分かち合うこと”に本質がある」と喝破しました。AIには沈黙はなく、必ず何らかの返答を返してきます。だからこそ、私たち人間がAIと向き合う際には、その違いを認識しながら、活用のバランスを取ることが求められます。一方で、AIの進化は止まりません。最新版のChatGPTは「博士号を持つ専門家があらゆる分野で手伝ってくれるような存在」と言われるほどの性能を持ち、今後は自ら学び考えるAGI(汎用人工知能)の開発も注目されています。
弊社の立場から
弊社の業務は、半導体製造装置をはじめとした高度な機械設計支援です。設計図面や仕様書の作成、部品選定や検討業務など、膨大な情報処理を伴う仕事において、AIはまさに「頼れる相棒」になる可能性を秘めています。私たちはAIを“人に代わる存在”と捉えるのではなく、“人を助ける道具”として活用していきます。そのことで社員一人ひとりの創造性を最大化し、技術者集団としてさらなる飛躍を目指したいと考えています。