「車は“走る通信機器”に!?」(1802号)

【半導体情報】今日は、私たち半導体産業に関わる者にとって、とても明るい話題をご紹介します。電子デバイス産業新聞を読んでいたら、「車載向け半導体が2030年には1台あたり30万円分も搭載されるかもしれない!」という衝撃的な記事が掲載されていました。これ、もはや車というより“走る電子機器”ですね。もともと自動車といえば、エンジンやブレーキなどのメカ重視の製品。ガソリン車では、200万円の車に搭載される半導体はせいぜい5〜6万円分。いわば「おまけ」程度の存在でした。ところが今は違います。EV(電気自動車)やハイブリッド、燃料電池車などの“エコカー”が主流になりつつあり、それに伴って半導体の重要性が一気に高まっています。なんと、1台あたり13万円以上に!その大半を占めるのが、電力制御に使われるパワー半導体です。さらに、ここに自動運転機能が加わると、CMOSイメージセンサーや自動車用マイコンなどの需要も大きく伸びてきます。ソニーやルネサスといった日本の企業にとっても、大きな追い風になりそうです。
そして極めつけは「コネクテッドカー」。
AIが車に搭載され、通信機能が常時ONの状態に。まさに「走る通信機器」の時代が来ようとしています。GPUや大容量メモリも搭載されるようになれば、1台あたり30万円以上の半導体が必要になる時代がやってきます。私たちアザエンジニアリングは、こうした未来を支える一翼として、半導体製造装置の設計支援を行っています。車がここまで進化するならば、製造装置のニーズや仕様も大きく変化していきます。私たちの設計技術がますます試される時代ですね。
もちろん、国際情勢も無関係ではありません。記事では、トランプ大統領の関税政策によって自動車産業が一時的に落ち込んだことにも触れられていました。貿易の正常化は、まさに世界全体の課題です。
それでも、未来は明るい。
エンジン音から電子音へ。
「運転」から「移動」へ。
メカからチップへ。
クルマの常識が変わる時代、ものづくりの現場も大きく変わっていきます。私たちも、新たな挑戦を楽しみながら、時代の変化にしっかりと乗っていきたいと思います。