毎週金曜日は、少しやわらかめの話題をお届けしていますが、今週末は「父の日」ですね。さて、この「父の日」、その由来をご存じですか?
始まりは1909年、アメリカ・ワシントン州のジョン・スマート・ドッドという女性が、自分と兄弟を男手ひとつで育ててくれた父親に感謝を伝えようと、教会にお願いして礼拝を開いたのがきっかけだそうです。やがて全米に広まり、1972年には正式な記念日となりました。日本では昭和50年代から広がり、今では6月の定番イベントとなっています。
そんな父の日が近づくと、私はいつも亡き父のことを思い出します。私の父は、私が18歳のときに他界しました。目が不自由な障害を持っていた父でしたが、わずかに見える視界のなかでも、いつも本当におしゃれをしていた人でした。特に愛用していたのが、ベルボトムのジーンズ。ある日、駅前の靴屋で気に入ったローファーを見つけて、父はそれを会計しました。ところが、値札の桁をひとつ読み間違えていたらしく、とんでもなく高価な靴だったようです。でも、「やっぱりやめます」とは言えなかったのでしょうね。その靴を買って、ずっと大切に履いていました。私はその話を聞いて、「ああ、自分もきっと同じことをするな」と、なんだか親子だなぁと感じたのを覚えています。父は、家族にたくさんの苦労をかけた人でもありましたが、思い出すたびに不思議とあたたかい気持ちになる、そんな存在です。父の日が来るたびに、「あの頃の父に、おしゃれなプレゼントを贈りたいな」と、毎年のように思ってしまいます。
そんな私も、いまでは子どもたちにとっての「父親」のひとり。父の日になると、子どもたちは毎年欠かさず、お酒をプレゼントしてくれます。きっと彼らの目には、「ノンベの父親」が映っているのでしょうね(笑)
でも、どんなものでも、もらえるってやっぱりうれしいものです。プレゼントを受け取るたびに、私もまた、心のなかで父に「ありがとう」と言っている気がします。皆さんも、今週末は少し照れくさいかもしれませんが、ぜひお父さんに「ありがとう」を伝えてみてはいかがでしょうか。