「業務スーパー創業者の挑戦から学んだこと!」(1772号)

先日、経営セミナー「情熱で創業し、冷静に承継する~業務スーパーを創った男~」を受講してきました。登壇されたのは、あの“業務スーパー”を一代で築き上げた創業者・沼田博和氏。情熱の塊のような人生を歩まれた方ですが、印象的だったのはその冷静さ柔軟さでした。ちなみに私達の皆さんがお気に入りの焼肉店「プレミアムカルビ」は、業務スーパーを運営している会社が展開しています。
■ 逆境からのスタート
沼田氏は、三越に就職するも、ダイエーの急成長を目の当たりにして退職。布団販売から食品の行商へ。志を同じくした仲間20人は次々に去り、最後に残ったのは自分一人。そこから始まったのが、”ゼロに近いスタート”だったそうです。
■ 製造側への転換と海外展開
店舗経営が軌道に乗ってきたころ、大手とのバイイングパワーの差を感じ、「ならば自分で作ればいい」と、なんと中国に食品工場を作ったという大胆さ。その当時、中国の大連には信号が2つしかなかったとか!品質管理を徹底し、アメリカや香港に輸出。海外展開が軌道に乗る中で、次は「国内スーパー経営か、製造事業か」の選択に2年悩んだとのこと。最終的に、「お客様に近い場所で事業をしたい」と日本に軸足を戻します。
■ 業務スーパーの苦難と成長
2000年に1号店を出店したものの、立地は最悪。「業務スーパー」という名前も、当初は一般客に敬遠されたそうです。そこで「一般のお客様も大歓迎!」と大きく掲げたところ、売上は右肩上がりに。冷凍食品やレトルトなど、時代の変化を先読みした商品開発にも積極的に取り組まれたとのこと。
■ 共存を重視したフランチャイズ戦略
フランチャイズ加盟店に過度な負担をかけず、ロイヤリティも抑えめ。それが今の規模につながったそうです。“自分だけが儲ける”のではなく、「一緒に勝つ」ための仕組み作りが印象的でした。
■ 地熱発電へ――次の挑戦
現在は、地熱発電などの再エネ事業に取り組まれています。
「日本の地下資源は世界で第3位。これからの未来に本気で貢献したい」との言葉が印象的でした。
■ 学びと刺激
成功している企業や経営者の話には、必ず“裏の苦労話”があります。その苦労を前向きに捉え、変化を恐れず行動していく姿勢――。私自身も経営者として、改めて「情熱」と「冷静さ」のバランスの大切さを感じました。
アザエンジニアリングとしても、創業の情熱を忘れずに、これからの承継や発展に向けて冷静な一手を打っていきたいと思います。
間もなく登場「AZA WORKS」ご期待下さい!