昨日に続きAIのお話です。現在、設計現場にも革命をもたらす「生成AI」が注目されています。昨年11月アメリカ・ダラスで開催された「3Dエクスペリエンス ワールド2024」では、生成AIを活用した3D設計の最前線が紹介され、業界の未来像を垣間見ることができました。私たちの業界にとっても非常に興味深い内容でしたので、その一部を皆さんと共有します。
生成AIの具体的な活用事例
1. 3Dデータから2D図面への自動展開
生成AIを活用することで、3Dパーツモデルを2D図面に自動変換する技術が紹介されました。この機能により、設計者が手作業で行っていた展開図の作成時間を大幅に削減できると考えられています。これにより、より迅速なプロジェクト進行が可能になります。
2. 設計データの最適化
デザイナーが作成した3Dデザインをもとに、製造可能な形状へと最適化する技術も登場しています。従来は、設計と製造の間で調整が必要でしたが、生成AIを活用することで、製造プロセスを意識した設計変更が自動化される時代が目前に迫っています。
3. NCプログラムの自動生成
さらに注目されたのが、3D図面を基にNCプログラムを生成する仕組みです。これにより、製造現場との連携がスムーズになり、設計から製造までの流れが効率化される可能性があります。
生成AI活用の目的と課題
生成AIの最大のメリットは、設計者が「想像力を発揮する時間」を確保できることです。単純作業をAIが肩代わりすることで、設計者はよりクリエイティブな部分に集中できる環境が整います。一方で、全てをAI任せにするのではなく、設計者自身が「何を作りたいのか」「その意味は何か」をしっかりと考え、目的を明確にすることが重要です。
また、働き方改革や労働人口の減少が進む中で、設計効率の向上と高品質な製品づくりの両立が求められています。その解決策として、生成AIを活用した合理化が欠かせない要素となります。
アザエンジニアリングの展望
当社では、これからの設計業務における生成AIの活用を視野に入れています。例えば、3D設計のデータ管理や展開図作成の自動化を進めることで、効率的なプロジェクト運営を目指します。また、単純作業の時間を削減することで、設計者が付加価値の高い業務に専念できる環境づくりを進めていきたいと考えています。
生成AIの進化は、ものづくりの在り方を大きく変えつつあります。これを単なる技術革新として捉えるのではなく、設計者の創造性を支える「パートナー」として受け入れ、共に成長していくことが、これからの時代の勝者となる鍵だと確信しています。