「恩師から頂いた座右の銘」(1483号)

朝晩はまだ冷えますが夜明け早くなりすっかり春になりました。3月は、多くの人にとって新たな門出となる卒業シーズンです。街の至る所で、新しい章を始める卒業生の姿を目にする機会が増えました。彼らがこれからの人生で、それぞれの道を歩み、社会で活躍することを心から期待しています。
私自身の卒業式の中で、特に印象深いのは中学校の卒業式です。その頃、校内暴力が社会問題となり、全国的に注目されていました。私の母校でもこの問題は例外ではなく、卒業式は非常に厳重な警備の中で行われました。私服警官やパトカーが学校を取り囲む中、私たちは卒業証書を受け取りました。
そんな私たちの学年はベビーブーム世代ですので一学年13クラス、約600人の生徒がいました。10数年前には、200名近い同級生が集まる大規模な同窓会を主催開催しました。何人かの教師も参加して頂き、当時の思い出話に花を咲かせる、とても貴重な時間を過ごしました。とても結束の硬かったそんな世代でも有りました。

中学卒業時に特に心に残っているのは、卒業式の前日に行われたお別れホームルームです。一人ひとりがお別れの言葉を交わし、多くの涙が流れました。この時、英語教師であった恩師から、文集に書いて頂いたメッセージです。「Do your best!」――全力を尽くしなさい。その短い言葉は、あまりに簡単で当時はその深い意味を理解できなかったものの、今では私の人生の座右の銘の1つとなっています。この言葉を胸に、日々、自分自身に「これが自分のベストなのか」「最善を尽くしているか」自問自答することが多くなりました。年を重ねるにつれて、「これで十分かもしれない」という妥協の誘惑に立ち向かう力を与えてくれます。「Do your best!」このシンプルながら力強い言葉が、常に私を前進させてくれています。

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