「創業35年・弊社が生き残った理由を考えてみる 」(1485号)

最近行きつけの飲食店の閉店が重なっています。和食屋、お蕎麦屋、お好み焼き屋、パン屋、ケーキ屋など、非常に残念で外食難民になりそうです。中には60年近く続く老舗もあり、その消失は地域文化の喪失にもつながります。
飲食店の廃業率に関して調べてみると、10年間で90%以上が廃業し、激戦エリアでは生き残りが300分の1程度という衝撃的なデータに直面しました。特に蕎麦屋は、開業後1年以内に70%が廃業するという、他業種に比べても高い廃業率を持っています。多くの場合、廃業理由は「単純に利益が出ない」ことです。飲食店の経営は本当に大変です。
これとは別に中小企業庁の調査によると、2016年以降、毎年約6,000〜8,000社の中小企業が倒産しており、新型コロナウイルスの影響で倒産した会社は全国に6761件あります。最も多い倒産原因は「販売不振」で、2016年から2022年までに倒産した中小企業53,700社のうち約71%が販売不振で倒産しています。
この状況から、企業が生き残るためには社会変化への対応、価値やサービスの進化、リスク対応、人材の育成という4つの要素が重要であると考えられます。

1)社会や情報の変化に対応できる
企業の生存には、市場や顧客ニーズの変化に柔軟に適応する能力が必要です。経済的目的、社会貢献、顧客満足を追求する中で、変化への対応は製品やサービスの成功に不可欠です。
2)価値(バリュー)やサービスを進化させ続けている
企業が生き残るためには、顧客ニーズの変化に応じて価値やサービスを継続的に更新し、進化させることが重要です。顧客の要望を敏感に捉え、サービスの柔軟な進化が成功の鍵となります。
3)起こり得るリスクや失敗を想定し対策を講じている
生存する企業は、リスクや失敗を事前に想定し対策を取っています。コロナウイルス感染拡大の際、リスク対策をしていた企業はテレワークをスムーズに実施できた一方、準備が足りなかった企業は苦労しました。事前のリスク管理が企業の対応差を生むことを示します。
4)人材の成長や育成に力を入れている
既存社員の育成は、労働人口減少と採用コスト上昇の現状下で、企業の利益と存続に必須です。優秀な人材確保の難しさを背景に、人材育成が重要な戦略になっています。
生き残る会社の条件は「変化適応、進化、リスク管理、人材育成が企業生存の鍵」と言えます。

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