「半導体が足りない背景と影響・・」(858号)

現在半導体不足が物作りに深刻な影響を及ぼしています。少し長い文章になりますが

その概要の説明になります。

パソコンや家電製品などさまざまな竃子機器に搭載されている半導体が今、世界的

に足リない状況に陥っている。とりわけハイテク化が進んだ自助車の生産ヘの影響

が深刻です。デジタル化の進展により半導体の需要が高まる一方でなぜ不足する

事態が起きているのか。その背景と影響を解説します。半導体不足の契機となった

のが、昨年から全世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大です。

コロナ禍により社会・経済活動にブレーキがかかり、車需要は大幅に減退。回復に

時間がかかると読んだ自動車メーカーは昨年春、半導体メーカーへの注文を大きく

絞り減産体制を取りました。一方で、コロナ禍を受けた「巣ごもり需要」や在宅

勤務が世界的に増え、パソコンやテレビ、ゲーム機向け半導体の需要が急拡大。

次世代通信規格「5G」に対応するスマートフォン向けの注文も多く、このため、

半導体メーカーは自動車向けから他製品向けへのシフト転換を進めました。しか

し、世界最大の自動車市場である中国で、昨年夏から車需要が右肩上がりで回復。

世界的に見ても、公共交通機関を避ける人が車を買い求める動きも生まれてきま

した。そこで、慌てた自動車メーカーは増産へ計画を変更しようと試みましたが、

半導体メーカーは既に供給の多くを他製品向けに振り替えていたため、自動車

メーカーの発注は後回しの状況が続いています。もっとも、半導体の生産には通常

数ヵ月かかります。今から自動車向けに増産を始めても現状の不足分には間に合

わず、この時間差も足かせとなっているのです。半導体不足の要因はコロナ禍だ

けではありません。1つは米中両国の対立の激化です。半導体の中核技術を握る

米国は2019年以降、半導体の設計をリードしてきた華為技術(ファーウェイ)

や製造最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)を狙い撃ちにした制裁を実施し、

中国の半導体産業に大きな打撃を与えてきました。こうした動きの中で、半導体

不足を懸念した自動車以外のメーカーが台湾などの半導体メーカーに発注を増や

し、一層の不足を招く結果となったのです。また、世界的なデジタル化の進展に

加え、脱炭素化の目標達成に向けた各国の環境政策による影響も大きいのです。

各国とも再生可能エネルギーの普及に全力を挙げる中で、太陽光や風力発電など

に使われる省エネ用半導体の引き合いが強く、特に中国と欧州の市場における需要

が旺盛です。このような事情も、自動車向けの半導体が足りなくなった一因と

指摘されています。こうしたなか半導体を巡り、政府は国立研究開発法人新エネ

ルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に、先端的な半導体の研究開発など

を支援するための基金を設置し現在、公募を行っています。また、今回の半導体

不足について、政府は台湾メーカーに対し日本向けの供給を増やすよう要請もい

たしました。このほか、半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)

は9日、半導体技術の開発子会社を茨城県つくぱ市に設立することを決めました。

主に最先端半導体の材料を研究開発を行います。年内にも運営を始める計画で日本

メーカーを連携を強めることにより、国内の半導体産業の活性化が期待されます。

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