【技術コラムVol.21 】― なぜ半導体装置で最も使われるのか ―前回はメイン排気バルブの役割について解説しました。今回は、その中でも真空装置で最も多く使用されるゲートバルブについて解説します。
■ ゲートバルブとは:ゲート(遮断板)をスライドさせて流路を開閉する真空バルブです。特徴はシンプルで、
・閉時:完全遮断
・開時:流路がほぼ直管
という構造を持ちます。この「開いた時に流れを邪魔しない」点が最大の特長です。
■ なぜ多く使われるのか:真空装置では、排気性能=コンダクタンスが重要です。一般的なバルブは開いていても流路に障害物が残りますが、ゲートバルブは
👉 **開状態で流路が完全に開放(フルコンダクタンス)**となります。そのため
・排気速度を落とさない ・高真空を維持しやすい というメリットがあります。
■ 構造のポイント:ゲートバルブは主に以下で構成されます。
・ゲートプレート(遮断板)
・シート面(シール部)
・ベローズ(気密構造)
・アクチュエータ(駆動部)
特に重要なのがベローズ構造です。👉 外部駆動部と真空空間を完全に隔離👉 摩耗粉が真空内に出ない 半導体装置では必須の構造です。
■ 使用される場面:ゲートバルブは主に
・チャンバーとポンプの間 ・ロードロック ・トランスファー部 など、真空を確実に遮断したい箇所に使用されます。
■ 注意点(設計者視点):ゲートバルブは優れたバルブですが、
・開閉速度が速すぎるとパーティクル発生
・シート面傷でリーク発生
・異物噛み込みで閉止不良
といった問題があります。👉 「開閉の仕方」と「使い方」が性能を決めるのが現場の実感です。
■ まとめ:ゲートバルブは👉 開けば流れを邪魔せず、閉じれば完全に遮断するという理想的な特性を持つ真空バルブです。そのため現在の半導体装置では、最も標準的かつ重要なバルブとなっています。
👉 真空技術では「何も無い状態を作れるか」が性能です。
■ 次回予告:Vol.22 真空バルブ③ アングルバルブ― なぜL字構造が必要なのか ―