【半導体産業最新情報】今日は、最近の半導体業界の動向について、日本経済新聞の記事を少し噛み砕いてお話したいと思います。
■AI半導体は「一人勝ち」状態!
ここ最近の半導体業界、とにかくAI向けの半導体が引っ張っています。たとえば、ChatGPTのような「生成AI」を動かすデータセンターでは、TSMC製のGPUチップ(画像処理用半導体)やHPC(高性能コンピューティング)向けのチップが大量に使われています。台湾のTSMCは、売上のうち59%がAI関連の設計や製造だそうで、前年の46%から大きく伸びているとのこと。まさに「AI特需」と言っていいのではないでしょうか。私たちアザエンジニアリングも、TSMC向けに装置を供給しているメーカーさんと長年お取引があるので、このAI向け装置の増産や新製品設計に関わる案件が増えているのを肌で感じています。
■スマホ・車載・産業機器向けはまだ低空飛行
一方で、スマートフォンやパソコン向けのメモリー(DRAM・NAND)、自動車や工場の設備に使う汎用半導体は、まだ回復していません。サムスン電子やキオクシアといった大手メモリーメーカーも、売上の伸びが止まり、一部では生産を減らしている状況です。NANDの価格も下がっていますが、ようやく底打ちして、2025年後半には回復基調に入るとの見方もあります。自動車向けについては、EVの販売が思ったより伸び悩んでいるため、半導体の量産計画が見直されるケースも。実際、ルネサスが山梨・甲府工場で予定していたパワー半導体の量産開始も延期されたようです。
■「生成AIが生活に入り込む時代」に向けて
生成AIは、これからスマホや家電、自動車の中にも組み込まれていきます。実際、“AI機能付きのスマホやノートPC”が来年から増えてくるという話も出ています。つまり、“AI特化から「AI+生活製品」へと流れが変わる”のです。そうなれば、また再びスマホや車載向けの半導体需要が増え、製造装置や検査装置の新型開発のニーズも一気に加速してくると思われます。
私たちアザエンジニアリングは、こうした装置メーカー様の開発設計支援パートナーとして、新しい時代の波を一緒に作っている感覚があります。今はまさに「AIで動く業界」ですが、近い将来、そのAIが「生活の中に入り込む」。そんな次のステージに向けて、アザエンジニアリングも着実に準備を進めてまいります!