「半導体製造装置市場、ついに20兆円突破」(1738号)

世界情勢が大きく揺れる中、産業界にもさまざまな影響が及んでいます。特に、アメリカの関税政策は、現在もなお国際経済に重い影を落としています。そしてその余波は、今後、半導体業界にも本格的に押し寄せてくる可能性が高いと感じています。
そんな中、先日発行された『電子デバイス産業新聞』に、非常に注目すべき記事が掲載されていました。
タイトルは「半導体製造装置市場、20兆円の大台突破」。
私がこの業界に入った40年前、半導体製造装置市場の規模は8,000億円〜1兆円未満であり、技術も市場もまだまだ発展途上の段階でした。そこから40年、現在では20倍以上に成長したことになります。
2024年、半導体製造装置市場はサービスを含めた主要36社の売上高ベースで、初めて20兆円を突破したとのことです。前年比19.5%増という驚異的な伸びを見せ、市場の勢いはとどまるところを知りません。
特に注目すべきは、中国ローカル企業の旺盛な投資がこの成長をけん引しているという点です。中国の装置メーカーも市場全体の成長率を大きく上回るスピードで台頭しており、前工程だけでなく、先端パッケージ分野や組立・テスト分野でも著しい成長が見られます。
私たちアザエンジニアリングも、創業以来、半導体製造装置の設計支援を軸に事業を展開してまいりました。今や20兆円規模へと成長したこの巨大市場において、日本のものづくり技術がどのように貢献できるのか。そして、私たちのような中小の設計事務所が、どの領域で力を発揮していくべきか——まさに正念場を迎えていると感じています。
国際情勢の不確実性が増す中で、私たちがすべきことは、「変化に備える」ことだけではありません。変化の中にあるチャンスを見極め、果敢に挑戦していく姿勢が何より重要です。
今後も国内外の動向を注視しながら、当社として最善の技術支援を提供してまいります。そして、社員一人ひとりが世界市場の変化を正しく理解し、誇りを持って業務に取り組めるよう、引き続き社内での学びと情報共有を大切にしていきます。