「花に想いを重ねて・支えてくれるすべての人へ感謝を」(1737号)

私は20代の頃から、新聞記事や書籍の中で心を動かされた言葉や文章を手帳に書き留めたり、切り取って貼ったりする習慣があります。
先日、少し前に読んだ新聞記事の一節を改めて思い出しました。
——ある大学の授業での一コマ。教壇に飾られた一輪の花に目を向け、教員が学生たちに尋ねました。
「この花を見て、皆さんはどう思いますか?」
学生たちは「きれいです」「花の名前を知りたい」などと答えたそうです。
そのとき、教員はこう言ったのです。
「もし創立者だったなら、“ここに花を生けてくれた人を励ましたい”と思われるのではないでしょうか——」
——これは20年以上前の話であるそうですが私の心に深く残っています。
何気ない日常の中に、誰かのやさしさや心配りが込められている。そのことに気づき、感謝を伝えることの大切さを教えてくれます。
さて、皆さんはご存知でしょうか?
弊社の入居しているプロミティーの1階ロビーには、いつも綺麗な花がいけてあります。
私はつい最近まで気づかずにいましたが、今年になってからその存在に改めて目が止まりました。 花を生けている方を何度かお見かけしました。おそらく、生け花教室の方のご厚意ではないかと思います。
また、私たちの入居するビル全体でも、非常に手厚い管理体制が敷かれています。
例えば、蛍光灯が切れるとすぐに工務の方が交換してくださり、隅々まで行き届いた清掃がなされています。
弊社のフロアの男子トイレや湯沸かし室に置かれた青いタオル。これはお隣の企業の方が洗面台を常に綺麗に保つために置いてくださっているものです。
こうした小さな配慮や心遣いのおかげで、私たちは日々、気持ちよく働くことができています。
私たちが当たり前のように使っている空間も、多くの人の支えや思いやりによって成り立っているのです。
「影で支えてくれる人の存在を、決して忘れてはいけない」そして「感謝の気持ちを常に持ち続けよう」
そんな想いを、あの花の記事が改めて気づかせてくれました。
今日もまた、誰かのやさしさの上に、私たちの“幸福という花”が静かに咲いているのかもしれませんね。